2009年03月31日

Acrobatでする透明グラデーション分割・統合の謎

 Illustratorグラデーションオブジェクトを作成し、透明効果を適用したオブジェクトを重ねてみよう。PDFで保存してAcrobat 8 Proで透明効果を分割してみる。どうなるだろうか。一度試して頂きたい。

 Acrobat 8 Proでプリフライトにフィックスアップの機能が追加され、AcrobatはPDFを印刷用に変換することが簡単になった。複数の処理を一度に行い、PDFを出力用に作り替えることができる。

 ただし、Acrobat 8 Proの印刷用変換機能でも苦手なものがある。Acrobat 8 Proでなくても、出力機のRIPでも苦手なものだろう。それは

特色
透明効果
グラデーション


である。単独で使う場合は問題がなくても、これらを組み合わせるとトラブルになりやすい。Adobeのサポートデータベースに書かれていることはないだろう。けっこう再現性が低いこともあって、これら3つを組み合わせても、トラブルが起こるとは限らないし、他にトラブルを招く要素もあるかもしれないからだ。解決方法があるとすれば、最新版にアップデートするしかない。こっそり直っているかも知れないからだ。

  さて、最初に述べた特色のグラデーションと透明の組み合わせは、けっこう再現性がありそうだ。単純に特色のグラデーションの乗算を指定した塗りオブジェクトがあるだけである。これをAcrobat 8 Proの[透明を分割・統合]でを適用するとどうなるのかというと、グラデーションオブジェクトが消失してしまうのだ。

090331-01.gif

     ↓

090331-02.gif

     ↓

090331-03.gif

※真ん中にあった特色のグラデーションが、透明を分割・統合したさいに消失してしまっている。

 原因はわからない。特色にグラデーションを指定したとき、透明オブジェクトの影響があると、どうやら特色を正しく扱えないらしい。透明を分割するというのは、CMYKモードで行うのが前提である。したがって、特色と透明オブジェクトを組み合わせて分割・統合するのは無理があるのというのも正しい意見だろう。

 PDFとして入稿されるデータの中には、さまざまものがある。「特色」と「グラデーション」と「透明効果」を組み合わせたドキュメントが存在しないわけではない。「グラデーション」と「透明効果」の組み合わせはごく普通にあるし、CMYK出力の意味もわからず「特色」で指定しまくっているものも少なくない。

 とすると、こういうPDFをAcrobatで印刷用に処理しようとすると、Acrobat 8 Proではできないということになる。このデータは残念ながら、フィックスアップを適用しても同じ。透明効果を分割・統合すると発生してしまうのである。

 解決方法はあるのか。もちろんそれはある。ある方法を使えば、グラデーションオブジェクトは消失せずに、特色も透明効果も維持したまま透明を分割・統合することができるのである。


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posted by 上高地 仁 at 19:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | AcrobatでするPDF出力のツボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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