印刷用のプリフライトプロファイルを作成するとしたら、アプリケーションによって使い分けることが必要になる。少なくとも
Illustrator
InDesign
WordからのPDF
は別々のものにする必要がある。と思って整理したが、基本的にはIllustratorとInDesignはほぼ同じだった。というのは、InDesignのみ発生するトラブルは、たいていがIllustratorのデータを貼り込んだときに発生するものだからである。
たとえば、Illustrator CSとCS2の分割水平線は、InDesignにIllustratorデータを貼り込むと、InDesignからPDF書き出ししても現れる。というのは、もともとのIllustratorデータ内のEPS画像がすでに分割されているからである。ただし、Illustratorで使うカスタムチェックと全く同じものは使えない。
基本的にプリフライトでは、フィックスアップを先に処理しPDFを変換してから、プリフライトを行う。フィックアップで最初に処理できるものは、先に処理してしまう方がいいが、たとえば
注釈
などは最初に削除してしまっていいものかと悩んでしまう。誤ってつけられた注釈であれば削除すればいいが、そうではなく校正用のPDFであった場合、削除してしまうと、校正結果が反映されていないPDFで出力・印刷してしまうことになるからだ。
そういうものは、注釈以外にもフォームやアクション、JavaScriptなどがある。基本的にフィックスアップする前に調べて、最終校正済みのPDFであることを確認した後削除すべきである。
しかしそうなると、1回のプリフライトプロファイルだけで処理するというわけにはいかない。2回プロファイルを適用するしかない。もっとも注釈以外、フォームやアクション、JavaScriptなどがなければ2回目は不要だろう。
基本的には印刷用として作成されたPDFを、RIPに依存しないPDFに変換するのにフィックスアップを利用し、カスタムチェックでそれ以外の問題点をリストするのがいいのだろう。カスタムチェックでエラーがリストされたら、個別に処理する方法を用意すればいいからである。
最初はAcrobat 8 ProとAcrobat 9 Proと兼用の内容にしようかと思ったが、Acrobat 9 Proの方が使いやすいので、Acrobat 9 Proで解説しようかと考えている。なんといっても、Acrobat 9 Proではフィックスアップすると別名保存できるが、Acrobat 8 Proでは上書きしてしまうのが致命的だからである。
ラベル:Acrobat 9 Pro
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