画像の貼り込みは、CS3で複数ファイルの貼り込みに対したが、CS4では貼り込み時にスマートガイドを表示させてオブジェクトの中心に揃えたり、エッジで揃えたりすることが可能になった。また、複数の貼り込み画像の間隔も等間隔に貼り込む際にスマートガイドを表示可能だ。
画像の貼り込みでもっとも便利になった機能は、リンクパレットで貼り込みファイルの詳細な情報をリストできることだろう。リンクパレットで画像を選択すると、画像の詳細な情報が表示される。画像のサイズやプロファイルの有無だけでなく、画像のオリジナルの解像度が「元のPPI」として、InDesign上で変倍された解像度が「変更されたPPI」として表示される。ただし、EPS画像では解像度と埋め込まれたICCプロファイルはリストされないが、PostScript CSAはリストされるようになった。
Photoshop形式でのリンク情報

EPS形式でリンク情報

テキストを回転したときモニタで確認しやすくために用意された機能が、表示メニューにある[スプレッドを回転]である。InDesign上で回転させたテキストを90度もしくは180度でスプレッド単位で回転させる。回転させたスプレッドはページパレットで確認可能。
線の設定では、テキストに対して線の結合方式(ラインジョイン)を指定可能になった。CS3までは設定アイコンはあったものの、テキストを選択するとグレーアウトされていた。テキストに線幅を指定し、[線の位置]を「線の外側に揃える」と不要な突起が表示されることがある。デフォルトの「マイター結合」を「ラウンド結合」に変更すると、突起が表示されなくなる。ただし、「ラウンド結合」にすると、コーナーは角丸になる。
フチククリ文字を「マイター結合」する

フチククリ文字を「ラウンド結合」する

自動入力したいテキストやページ番号を参照先を指定することで連動させる機能が[相互参照]だ。テキスト変数はテキストを一元管理するが、相互参照では参照先のページにあるテキストやページ番号を指定する。参照先のテキストやページ番号が変更されたとき、変更内容を確認し更新することで、参照内容を自動挿入できる。もともと、FrameMakerの機能で、InDesignに移植されたものだという。

参照元を指定して、段落スタイルやテキストアンカーから参照先のテキストを指定する。参照先のテキストを変更すると、相互参照パレットに警告アイコンが表示されるので、更新すればテキストが変更されるようになっている。
テキストを効率的に使うための機能として「条件テキスト」の機能も用意された。ウィンドウメニューの[書式と表]にある[条件テキスト]を使うと、テキストのみをレイヤーで個別に管理できる。条件ごとに表示するテキストを差し替えることが可能だ。テキストのみを変更し、レイアウトも追随する。同じドキュメントから価格のみを差し替えたデータを出力したい場合は、条件テキストで使い分けることが可能になる。
条件1には「デバイスカラースペース」と入力

条件1には「キャリブレーションカラー」と入力

InDesign CS4の目玉となる機能はなんといっても「ライブプリフライト」だろう。その名のとおり、レイアウトしながらプリフライトすることが可能だ。ウィンドウの左下にライブプリフライトは用意されている。まず最初に「プロファイルを定義」する。定義したプロファイルに違反したデータがあれば、ライブプリフライトのメニューに赤丸のアイコンが表示され、それをクリックすると、エラー内容を確認できる。
ライブプリフライトで確認できる内容は次のようになっている。設定項目数は少なくなく、Acrobatのプリフライトの標準のパネルで指定可能なことはほとんど対応している。制作時に失敗しそうなテキストのオーバーセットや画像のカラーモードやICCプロファイルの有無などを確認する場合は重宝しそうだ。




InDesign CS4ではFLASH形式にドキュメントを書き出すことが可能になった。ページめくり効果を指定したり、ボタンメニューでロールオーバーを設定可能だ。また、Flash CS4(XFL)で読み込める形式での書き出しも可能だ。InDesignで作成して、Flash CS4で編集することも可能だ。
ラベル:InDesign CS4
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