2008年09月04日

アンチAdobeの不満をぶちまけるサイト現る

 Adobeに対する不満や愚痴を書き込むことができる「Dear Adobe」というサイがが作成されたという。ウェブデザインおたくのErik Frickという人物が始めたブログで、Adobeに対して不満をぶちまけるためのサイトらしい。

 「不満リストトップ50」というリストを見ていたら、Acrobat Readerは重すぎるのに、二ヶ月に一度アップデートするとはけしからんとか、値段を安くして欲しいとか、不要は新機能はなしにして軽快で安定して製品が欲しいとか、日本のユーザーでも思っていることが上位にあげられている。OSよりAdobe製品のインストールの方が遅いというものもある。

 Adobeはもう大企業なので、ユーザーの要望にすべて応えることはできない。ユーザーが新機能はいらないといっても、新機能を追加しなければ、新しい製品を売ることはできないので、めったに使わない機能をシェイプアップした製品は出さないだろう。

 可能性があるとすれば、ネット経由で配布し、月額わずかでも使用料を徴収する場合だろう。パッケージ販売に限界があるのは確か。だいたいAcrobatの販売もパッケージではなく、法人とのライセンス契約がAdobeを潤わせているはずだ。

 Adobeとしては今後の展開を見据えていくなかで、ロイヤリティを薄く広く集める方法を誰かが考えているに違いない。Photoshopはその最右翼だろうか。Googleアマゾンに互して収益を高めていくには、ソフトウエアでのロングテールモデルも必要になるように思う。

 Adobeはけっこうしたたかなので、デキル社員はこういうユーザーフォーラムを社内政治に活用して、プロダクツに反映していくに違いない。

Adobeに同情する声もある。

と書かれているが、同情することはない。ガス抜きになるし、Adobeのユーザーフォーラムよりは、ユーザーの本音を知ることができるはずである。

ラベル:adobe
posted by 上高地 仁 at 21:21 | Comment(4) | TrackBack(1) | ニュース&トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先日、アドビからのアンケートにたっぷり不満を書いたところでした。その際にモリサワパスポートのようなライセンス制にしたらどうか、と書いたのでした。出力環境がまちまちなのがネックですが。日常業務に必要な機能に(特に文字)バグが目立つのに新機能といわれてもナンデ?です。文字の操作性にバージョン間で一貫性がないのはフォント環境の違いもあるとはいえ、悩ましいです。「もともと印刷用とは言ってない」って言われればそれまでですが。
Posted by 中山守男 at 2008年10月04日 17:25
同感ですね。新製品リリース型ビジネスモデルが収穫逓減期を通り越していて、血行不良を起こしていることにサンノゼのお偉いさんは、気が付いていないのかもしれませんね。もしそうだとすると、あまり頭がよくないかも。年間ライセンスでフルバージョンを提供し、古いバージョンのバグも直すという姿勢が是非とも欲しいものです。「もともと印刷用とは言ってない」はありえないと思いますよ。印刷用だからこそ、価値があるわけです。印刷用として保証されないのであれば、値段高すぎです。惜しむらくは、中山さんのような意見を日本法人の社員の方に伝えても、責任者のところには届かないだろうということです。サンノゼはセールス結果しか見ないでしょうから。
Posted by jin-k at 2008年10月04日 19:13
確かに業務=営利目的でなければ誰も買いませんし。そういえば、アドビ日本法人の元社長が株売却益の件で立件されてましたが…なんだか仇を討ったような?気分です。安心して使い続けられる環境になってほしいです。もうじきCS4だそうですが。
Posted by 中山守男 at 2008年10月17日 19:43
> 安心して使い続けられる環境になってほしい

その通りだと思います。印刷ミスがあっても、Adobeが責任をとります、くらいえば、新しいバージョンへの移行も安心できるんですが、無理なんでしょうね。「製品」を売っているという意識から脱却して、「安心した出力」というコンセプトを売っているんだ、という考えに変わって欲しいものです。印刷関係者が欲しいのは、機能であるよりも、アプリケーションへの信頼だと思います。

> アドビ日本法人の元社長が株売却益の件で立件

それは知りませんでした。アドビ日本法人の社長って、日本担当の営業部長ですけど、長くその席にいることは少ないようですね。いったい誰なんでしょう。暇があったら、調べてみようかな。
Posted by jin-k at 2008年10月17日 21:00
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