2008年08月29日

Windows XPの太字をプリフライトで調べる

 Windows XP環境のWordからPDFを作成するとき、太字を指定してPDFを作成すると、文字が潰れることがある。Windows XPではプリンタドライバの解像度によって、文字の太り方が異なってしまう。2000や97ではそうはならない。Vistaは試したことがないのでわからない。Wordのバージョンではなく、OS側のGDIの仕様のようだ。
 プリンタドライバの解像度と太字にするフォントによっては、文字が潰れてしまうことがある。普通、ボールド書体を太字にすることはないが、線幅の太い文字は太字にしない方がよい。
 太字になるのはDistillerを利用してPDFを作成したときで、いきなりPDFで作成すると太くなることはない。

 Wordの太字はAcrobatのプリフライトで簡単に調べることができる。テキストカテゴリーにある

テキストは塗りつぶしで線付き


というプロパティを割り当てると、プリフライトでリストすることができる。
 そうなると、XPとそれ以外のOSで作成した場合をプリフライトで切り分けることができるかどうかが気になるところだ。太字が潰れてしまうのはXPだけだからである。詳しくは『落とし穴に転落せずにWordから印刷用PDFを作成する方法』をご覧いただきたい。
 Illustratorの場合は、Illustratorのバージョンはたいてい文書のプロパティを開くと知ることができる。PDFで保存してもDistillerで作成しても、そこには手かがりがある。PDF保存の場合は、PDF変換のライブラリのバージョンをみればよい。
 しかしWindowsの場合は、[文書のプロパティ]にある[概要]に記載されているのは、DistillerのバージョンとPDF Makerのバージョンのみなのである。利用しているAcrobatが同じであれば、DistillerとPDF Makerは同じバージョンをなので、WordのバージョンやWindowsのOSの種類を知ることはできない。

080829-01.gif

[アプリケーション]にも[PDFのバージョン]にもOSの種類を示す手がかりはない。


 となると、太字データのプロパティを調べるしかない。たとえば2000とXPで同じドキュメントからPDFを作成して、太字部分のプロパティが異なっているかどうかを調べるのである。PDF内のテキストをヒットさせて、プロパティを開いていけばよい。
 Wordに太字を指定してPDF化すると、フォントは二重構造になる。プリフライトすると、1つのフォントで塗りつぶし部分と太らせた線部分が別々のフォントとしてリストされるのだ。
 リストされたとき、XPのフォントの[グラフィックのプロパティ]を開くと、

角の比率

が「1.0」になっている。2000ではここが「10.0」なのである。XPでは「角の比率」の数値が低いことで、太字のコーナーが欠けることがある。Illustratorではデフォルトで「4.0」が指定される。

080829-02.gif

同じポイント数のフォントが2つリストされている。1つは「グラフィックのプロパティ」に線のみが表示され、みう1つの「グラフィックのプロパティ」には塗りのみがリストされる(上記のショットでは開いていないので確認できない)。


 もし「角の比率」がプリフライトで調べることができれば、XPの太字のみをプリフライトでリスト可能になる。「角の比率」を調べるカスタムチェックがあるのである。「線のグラフィック状態プロパティ」にある「角の比率」プロパティである。

080829-03.gif

残念ながら「角の形状」はヒットしなかった。「テキストは塗りつぶしで線付き」のみだとヒットする。


 太字のテキストと角の比率のプロパティを組み合わせると、Windows XPの太字はプリフライトでリストできるだろうか。残念ながら、「線のグラフィック状態プロパティ」にある「角の比率」プロパティでは、太字の線部分を調べないのである。
 というわけで、他に方法がないものか、現在思案中である。


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posted by 上高地 仁 at 18:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | AcrobatでするPDF出力のツボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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