2008年07月02日

Acrobat 9 Proの「ウリ」はやはりFLASHなのか

 Acrobat 9 の記事がやっとCNETに掲載された。というより正確には、製品版のニュースではなく、フリーダウンロード可能な「Adobe Reader 9」の記事である。

 私の記憶では、製品の発表のときもアドビストアでAcrobat 9 Proの販売が始まったときも、記事にはなっていなかった。Acrobatとはいえ、ニューバージョンのリリースだけでは、ニュースバリューに欠けるのだろうか。そんなことはないと思うが...。

 CNETの記事のタイトルは

アドビ、「Adobe Reader 9」をリリース--PDF内でのFlash再生に対応

となっている。世間的には、Acrobat 9よりも、Reader 9のリリースの方がニュースバリューがあるのだろう。新しいReaderはダウンロードする価値があるのか、誰にとっても気になるところである。

 さて、Acrobat 9 の目玉機能の1つがFLASH対応である。AdobeMacromediaが合併してかなり立つので、FLASH対応といっても、それだけでは意味がわからない。もともと、FLASH形式のデータはPDFに埋め込むことはできるからである。

 そうすると、FLASH形式の動画をPDFに取り込む機能なのか。試しに、ベータ版のAcrobat 9 Pro Extendedで、YouTubeのページをWebキャプチャしてみた。動画を保持したままPDFに変換できるのだろうか。

 Pro Extendedをインストールして、ファイルメニューの[WebページからPDFを作成]を開いて、YouTubeのURLを入力してみた。YouTubeのサイトはPDFに変換されたが、動画部分のみ見事に埋め込まれなかった。どうやらそういうことではないらしい。

 AdobeのサイトからAcrobat 9 の「レビュワーズガイド(プレス用の資料です)」をダウンロードしてきて、FLASH対応の部分を読んでいたら、Webキャプチャー時に使うものではなく、マルチメディアツールの中にあるムービーツールで動画を埋め込むときに機能するものだと解説してあった。

 PDFをプレゼンツールとして使うとき、PDFにあとから動画を埋め込むことができる。それが、ムービーツールである。ムービーツールを選択し、PDF内の任意の位置をクリックする。そうすると、その部分に動画が貼り込むことができるのだ。

080702-01.gif

 動画の貼り込みそのものは、Acrobat 5.0でも可能だが、取り込み可能な動画のフォーマットが限定される。Acrobat 6.0 Proからは、取り込まれた動画はオリジナルのフォーマットのままになるが、利用できるプレーヤーに依存する。

 Acrobatに動画を貼り込んだとき、その動画をAdobeのフォーマットにしておくと、Acrobatで利用しやすくなる。FLASH形式であれば、Acrobatに最初から組み込んでおいてもややこしくない。そうなると、OS環境やOSにインストールされたメディアプレーヤーに依存しないからだ。

 いくつか制限や注意点はあるが、Windows版しかないAcrobat 9 Pro Extendedを使うと、ムービーツールで動画を取り込んで、FLASH形式に変換して保存することができる。Acrobat 9 Proではできない。つまり、Macintosh環境では、取り込んだムービーをFLASH形式に変換することはできないのだ。

 Adobeとしては、Macintosh環境のヘビーユーザーはたいていが印刷関係で使うので、Acrobat 9 Pro版があればよいが、Windowsのヘビーユーザーの中では印刷関係でPro版を必要とするユーザーの比率はそれほど高くない。

 そこでAdobe考えた(多分)。Windowsのヘビーユーザーには、Pro版にない機能を持たせて、新しい製品を提供しようと。もちろん製品の価格を少しアップして。そこで、「Acrobat 3D Version 8」の3Dデータ機能と、ムービーのFLASH変換機能と、PowerPointから「e-ラーニングコンテンツ」を作成するツールをバンドルした製品を用意した。それが

Acrobat 9 Pro Extended

である。ビジネスユースで使う場合、エンジニアリング系のプレゼンでは3DデータをPDFに埋め込みたいときはあるだろうし、「Acrobat 3D Version 8」は別途購入するのであれば、「Acrobat 9 Pro Extended」に統合しているほうがありがたい。

 動画のFLASH変換も、プレゼン用の機能である。一般企業でも、社内のPCはすべてWindowsでも、提案先の企業でMacintoshを使っていることがある。Acrobat 8 までは、埋め込まれた動画はOSにインストールされたメディアプレーヤーに依存するので、Windowsで視聴できても、Macintosh上では動画が再生できないことがある。それを解決するのが、今回のFLASH対応なのである。もちろんFLASHにすると、動画のデータサイズはダイエットされる。

 というわけで、Pro Extendedでムービーを埋め込むと、Reader 9でもOSのプレーヤーに依存せずに動画を閲覧可能になる。そしてPDFのファイルサイズは小さくなる。まあしかし、この程度の機能なら、ふつうのPro版にも搭載して欲しいものである。次のバーションではPro版にグレードダウンしないだろうか。





ラベル:Adobe Reader 9
posted by 上高地 仁 at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース&トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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