30ビット液晶モニタにいつ手が届く









 日本ヒューレット・パッカードから、RGB各色10ビットの液晶モニタが発売される。通常のモニタはフルカラーで各色8ビット、約1670万色だが、10ビットになると、いっきに10億色まで表示可能になる。
 1色あたり10ビットというのは

1024色

ということになる。1024×1024×1024で、約10億色ということだ。8ビットは256色なので、ビット値で4倍のカラー階調を持つことになる。
 「HP DreamColor LP2480zxプロフェッショナル液晶モニタ」は、24インチ(WUXGA:1,920×1,200)のサイズで、

Adobe RGB比で131%

でカラー再現できるという。オフセット印刷だけに使うのであれば、30ビットのモニタは不要だが、印刷用データをオフセット印刷以外にマルチユースするのであれば、こういう広色域のモニタが必要になる可能性はある。
 たとえば、原稿の基準カラーがインクジェットプリンタからの出力だとする。インクジェットプリンタではCMYK以外の補色を使って、より鮮やかな色を再現することができる。オフセット印刷もそれにあわせて、パステル調の補色で6色とか7色で印刷して、インクジェットのカラーに合わせるのである。

 
  そのカラーをモニタで限りなく忠実に再現するためには、既存の24ビットのモニタでは対応しきれない可能性がある。パステル調の補色だと、Adobe RGBでも再現できない領域はあるに違いない。そうなると、色域の広いモニタが不可欠になる。
 もちろん、30ビットですべてのカラーが再現できるわけではないが、日本ヒューレット・パッカードの「HP DreamColor LP2480zxプロフェッショナル液晶モニタ」の製品紹介のページを見る限り、従来のモニタに比較してかなり広いことは確かのようだ。「Adobe RGB比で131%」というのが、馬蹄形のxy色度図の面積によるものなのか、Lab立体空間での体積比率なのかはわからないが、既存のすべてのRGBスペースを内包できそうである。

lp2480zx_top_images02.jpg

 Photoshopには、16ビットチャンネル32ビットチャンネルがある。印刷で必要とする以上の画像のビット数は、入力画像を広いビットで得て、広いまま補正するためにある。16ビットで撮影したものを、16ビットで補正し、印刷するときに8ビットに落とせば、階調の飛びが少なくなる。つまり補正しても、ヒストグラムが櫛の歯にはなりにくい。8ビットで補正を続けて8ビットのまま印刷すると、画質は劣化する。
 16ビットの画像を、10ビットのモニタで開くと、より忠実にモニタ表示ができるはずである(多分、Photoshopが対応しているかどうかは未確認です)。蛍光色などの8ビットでは再現しにくいカラーも、よりビビットに再現できそうだ。Photoshoperの間では、10ビットのモニタで補正して、8ビットに落とすということが、当たり前になるかもしれない。やがて、モニタも16ビットが標準になるかもしれない。
 IllustratorInDesignもバージョンアップして、貼り込み画像を16ビットで表示するようになるかもしれない。まあもっともそうなると、CPUパワーとメモリの要求量は青天井になるけどね。
 価格は39万9000円。この値段だと、Apple Cinema HD Displayと遜色ない価格になるのに、そう時間はかからない。その前に、Apple Cinema HD Display、10ビット以上にしますかねぇ。

タグ:液晶モニタ

posted by 上高地 仁 at 18:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース&トピック
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/100949323

この記事へのトラックバック

Illustrator使いこなしの鉄則

  鉄則01:異なるバージョンでは開かない
  鉄則02:最新版にアップデートしよう 8.0〜9.0
  鉄則03:最新版にアップデートしよう 10.0〜CS2
  鉄則04:カラーマネージメント機能を使おう
  鉄則05:貼り込まれた画像のカラーはどうなる?
  鉄則06:透明効果の分割・統合をベクトル側で変換する
  鉄則07:透明分割とスポットカラーの怪しい関係
  鉄則08:ラスタライズ効果設定は「200 ppi」に設定する
  鉄則09:Illustrator CS以降で使うOpenType機能
  鉄則10:フォントはアウトライン化してPDF保存する
  鉄則11:PDF保存ではフチククリ文字はアウトライン化しない
  鉄則12:用紙サイズを大きくしてトリムマークを付けて保存する
  鉄則13:PDFのバージョンはAcrobat 4.0互換で保存する
  鉄則14:PDF保存ではIllustrator編集機能はオフにする
  鉄則15:RGBのEPS画像はそのままCMYKに変換される
  鉄則16:PDF保存ではICCプロファイルは埋め込まない
  鉄則17:Illustrator 10までは画像はダウンサンプルしない
  番外編1:可能な場合オーバープリントを保持とは
  番外編2:インテリジェンスなカラー変換
  番外編3:書き出されるPDFサイズ
  『Illustrator&InDesign使いこなしの鉄則』を発行します

カラーマネージメント出力

  カラーマネージメント出力の不思議1〜InDesign編〜
  カラーマネージメント出力の不思議2〜Illustrator編〜
  カラーマネージメント出力の不思議3〜解答編〜

Vistaフォント、混乱の真犯人は誰だ

  その1:包摂はどこまで本当か
  その2:解き放たれた文字数の制限
  その3:JISの包摂に明確な基準はあるか
  その4:使われている文字は字形であっても拒否するのは非現実的だ
  その5:ユニコードは字形を追加するためにあるのだ