PDF普及の足枷となるIllustrator CS CS2のEPS画像の水平線





 Illustrator CSでPDF保存したとき、EPS画像が分割化される問題は以前から知られていた。Illustrator CSがリリースしたすぐ直後から、話題になっていた。ただそのとき、Illustrator CSを使っているユーザーはそれほど多くなく、PDF保存するユーザーはもっと少なかった。

だから、PDF保存は使えないんだよ

という声をよく聞いたものである。
 私自身は、IllustratorにはEPS画像を貼り込むことはなかった。以前から貼り込み画像は、

Photoshop形式(PSD)


を利用していたからである。PSDを貼るのは、埋め込まなくても画像のオリジナルイメージをIllustratorで表示できるからである。ただし、ファイルの軽さから言うと、TIFFでLZW圧縮した画像の方が扱いやすい。JPEGはIllustratorに貼り込むと、解凍されるので、画像の表示位置を変更したり拡大縮小をすると再デコードするようで、モニタの描画は遅い。ネットワーク上のIllustratorのネイティブファイルを開くと、JPEGリンクはさらに描画速度の遅さに拍車がかかる。

 さて、EPS画像をPDF保存すると水平線が現れる問題は、印刷に関わるものにとっては、致命的である。画像に白い線が入ったまま印刷されてしまうと、刷り直しになるからである。
 モニタで確認できるのかというと、確かに拡大率を大きくすると確認可能だ。しかし、透明の分割・統合でも、画像は分割化される。たとえば画像の上にテキストを乗せてドロップシャドウを適用すると、背面の画像は分割される。モニタで拡大すると、薄いが白い線が現れる。この場合の白い線は、必ずしも水平線ではない(垂直線もある)。
 透明の分割・統合で画像が分割されるときは、画像のすき間が印刷されることはなかった。モニタで表示されるのは演算誤差であって、高解像度のRIPであれば、網点を正確につないで、切れ目が見えないようになる。
 Illustratorで分割されたものは印刷時には現れないが、Windows系のアプリケーションで問題になることがある。DistillerPDFに変換するとき、ドキュメント内の画像が分断化されて、印刷時に白い線が表示されてしまうことがあるのだ。ドキュメントからの書き出しに問題があるのか、WindowsのGDIが悪さをしているのか、プリンタドライバが原因なのか、Distillerが犯人なのかは不明である。

 Adobe(アドビ)はPDFの普及に力を注いできた。Adobeの開発したファイル形式にユーザーを誘導するのはAdobeにとってメリットがある。もともとPDFは、印刷用に特化したファイルフォーマットだったから、DTP関係のアプリケーションをPDF化するのは当然だろう。
 また、この間までAdobe SystemsのCEOだったブルース・チゼンは、Acrobatを成功させたことで、ワーノックによってCEOに指名された(とどこかで読んだ覚えがあるが、ソースを確認できなかった。記憶違いだったらごめんなさい)。チゼンがAdobeのビジネスフレームを印刷メディアから、電子メディアに広げたのである。
 であるならば、グラフィックソフトからPDF書き出しを行ったときに、このような不具合が発生することを看過していいはずはないではないか。
 だから今からでも、AdobeはEPSを正しく書き出すためのアップデータをリリースすべきではないか。今からでも遅くはない。CS3にバージョンアップすることだけを唯一の解決方法にすべきではないだろう。
 もともとAdobeは、ソフトウエア業界では、信頼性のもっとも高い企業だった。おそらく今でもそうだろう。そう考えると、このバグをサポートデータベースにあたかも「仕様」のように掲載してお茶の濁すのは、アンビリーバブルな対応としか思えない。あなたも、そう思うだろう。
 EPS画像のPDF書き出しでの水平線はけっして「仕様」ではない。Illustrator 10までは、そんなことはなかったのだから、明らかに「バグ」であり、Illustrator CSとCS2は、印刷ためにIllustratorを使うユーザーにとっては不良品ではないか。

 まあAdobeがアップデータで修正しないというのであれば、それはそれで仕方がない。Adobeに対する信頼が失われるだけだ。多くの企業は業績が好調なときほど、ユーザーの声を無視する傾向がある。日本のユーザーの声は、サンノゼには届かないだろう。そして、残念ながら、ユーザーにはAdobe以外の選択肢はない。
 ただし、Illustratorのバグは、ユーザーのPDF出力への意志を確実に退歩させる。少なくとも印刷会社や出力センターにとっては、PDF入稿された場合、Illustratorで作成されたかどうかを確認し、さらにCSとCS2であることを確認して、その場合はPDFを開いて、画像を目視でチェックしなければならない。
 Illustratorでは、いまだにEPS画像が貼り込まれていることが多く、CSとCS2で作成されたPDFは、そのほとんどが再入稿となるに違いない。そこまでリスクを負うのであれば、IllustratorでのPDF入稿はご遠慮願う方がトラブルに巻き込まれなくて済むと、印刷会社の多くは考える。
 私の知る限り、PDF内の画像のオリジナルフォーマットがEPSであるかどうかを、Acrobatのプリフライトで確認する術はない。どのような画像フォーマットであっても、埋め込まれれば同じである。
 アップデートで直さないのは、アップデータでは直らないような致命的なものだからかも知れない(とは思わないけどね)。
 しかし、このまま放置しておけば、Illustratorの出力がEPSからPDFにシフトしていくのに、五年くらいは遅れをとるのではないかと思える。EPS画像の水平線は、日本でのPDFワークフローにとって、間違いなく大きな足枷になるに違いないのだ。

 印刷会社にとっては、やっかいな「バグ」だが、現実として受け入れるしかない。Illustrator CSやCS2でPDF保存する場合は、EPSは使わないように顧客を指導していくしかない。CS2ではPSDでも分割されるので、できればTIFFが最適。

せめてCSのバグはCS2でなおせよ

といっても仕方がない。かといって、CSとCS2の入稿を断ることもできないだろう。「CS3にバージョンアップしてください」とも言えない。CS以降のIllustrator EPSで出力するためには、RIPのバージョンアップも必要になる。となると、印刷会社が、Adobeの代わりに告知していくしかない。
 残念ながら、こういう問題は昔からよくあったではないか。トリムマークではなくトンボの使用、アウトライン化されていないテキストやJPEGエンコーディング、ICCプロファイルの埋め込みなどによって、正しく出力できないデータで入稿されることは珍しくはない。サービス業としては、顧客のために、Illustrator CSとCS2ではEPSを貼り込んでPDF保存しないように、アナウンスするしかない。Adobeに成り代わってである。
 あなたが、Adobeの有償のサポートプログラムに加入しているのであれば、声を大きくして、この問題についてクレームを言うべきである。印刷会社は困っていると。そして、古いバージョンでもアップデートで直すべきだと言おう。それで、修正されるとは限らないが、今後の製品には反映されるに違いない。大きな声で多くの声が集まれば、サンノゼも動くかも知れないしね。
 やっかいな問題ではあるが、しつこく書いてより多くの人に知って貰うしか、私には方法がない。

Illustrator CSとCS2ではEPS画像は御法度ですぞ

と。
 





posted by 上高地 仁 at 22:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | ニュース&トピック

透明分割の最適値はなぜベクトル100なのか





透明分割の「高解像度」は印刷用
 ドキュメント内の透明を分割するときに設定するもので、基本的な設定が3つあります。この設定で透明の品質が決まります。3つの設定とは

ベクトルとラスタライズのバランス
ラスタライズ(ラインアートとテキストもしくは統合)の解像度
グラデーションとメッシュの解像度


です。この3つの設定の中で、印刷用として透明を分割・統合するときにもっとも重要なのは「ベクトルとラスタライズのバランス」です。印刷用の出力やPDF保存では、「ベクトルとラスタライズのバランス」を必ずベクトル側、つまり「100」に指定しておく必要があります。
 Illustratorでは9.0の書類設定にある「ベクトルとラスタライズのバランス(9.0では[プリント・データ書き出し]の[画質/速度]になります)」のデフォルトがスライダーのセンターに設定されています。デフォルトは印刷用ではない設定になっているので、そのままでは使えません。
 10.0では、ベクトル「100」に設定され、デフォルトのまま透明を分割・統合しても、印刷用としては十分な品質になっています。
 Illustrator CS以降やInDesignでは、透明の分割・統合はプリセットとして設定し、その中から選択して指定するようになっています。

低解像度
中解像度
高解像度


の3つで、「低解像度」はWeb用、「中解像度」はプリンタ用、「高解像度」は印刷用と考えればいいでしょう。バージョンによって多少設定する数値が異なりますが、実質的には大きな違いはありません。印刷用の設定では、「ベクトルとラスタライズのバランス」が「100」になっていれば、まず問題ありません。
 Illustratorから印刷としてEPSを書き出したり、IllustratorやInDesignからPDF保存する場合は、透明の分割統合設定では「高解像度」を選択します。






posted by 上高地 仁 at 18:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | AcrobatでするPDF出力のツボ

フォントワークスLETS新書体とLeopard 対応状況





 フォントワークスさんから、LETS会員向け2007年度の新書体の案内と、Leopard 対応状況についてのニュースリリースをいただきました。筑紫明朝5書体をAdobe Japan 1-5仕様に対応するようです。また、万葉とニューシネマという書体が追加になるようです。
 Leopard 対応状況については、特に注意すべきことはないようです。CIDOTFのみが対応していて、OCF外字マスターは不可。プリンタフォントのインストールは、10.4のClassic環境からは可能のようです。詳しくは下記を御覧下さい。



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 1.【新書体情報】LETS会員向け2007年度の新書体をリリース
 
 2.【サポート情報】Mac OS X 10.5 Leopard 対応状況
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■■  1.【新書体情報】LETS会員向け2007年度の新書体をリリース
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 株式会社フォントワークスジャパン(福岡県福岡市中央区)は、フォント
 環境サポートプログラム『LETS』の会員の皆様に向けて、2007年度 新書
 体・7書体およびAdobe Japan 1-5仕様の筑紫明朝6書体をリリース、配布
 を開始いたしました。

 2007年度の新書体は、様々な場面で使用されている「筑紫明朝」から3ウ
 エイトB/E/Hと、ユーザー様からの厚いご要望にお応えして筆書系書体
 「万葉行書-E」「万葉草書-E」を、そして映画字幕タイトルライター
 佐藤英夫氏デザインの字幕書体「ニューシネマA-D」「ニューシネマB-D」
 の合計7書体です。
 また、Adobe Japan 1-5文字セットに準拠したOpenTypeフォント6書体「筑
 紫明朝Pr5-L/R/M/D/LB/RB」もあわせてリリースいたします。

 今回は行書体、草書体、字幕書体などの新たなバリエーションが加わり、
 より一層充実したラインナップになりました。
 2002年のLETSスタート時から毎年新書体をリリースし続け、フォントワー
 クスLETSの提供書体は、OpenType179書体、CID173書体、OCF117書体を数
 えます。
 今後とも末永くご愛用いただけますようお願い申し上げます。

 ▼このニュースの詳細はこちらをご覧ください
  http://www.fontworks.co.jp/new/news/2007/071220.html

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 ◇ 2007年度 新書体 ◇
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 【筑紫書体】
  筑紫明朝-L/R/M/D/LB/RB〈Adobe Japan 1-5仕様〉
  筑紫明朝-B/E/H
 【ベイシックシリーズ】
  万葉行書-E
  万葉草書-E
 【デザインクラブ】
  ニューシネマA-D
  ニューシネマB-D

 ▼書体見本はこちらをご覧ください
  http://www.fontworks.co.jp/new/sinsyotai/index.html

 ▼特別企画:ニューシネマリリース記念対談「映画字幕書体を語る」
  http://www.fontworks.co.jp/typography/designer/satoh_taidan.html

  デザイナー/佐藤英夫氏、ワーナーエンターテイメントジャパン/小川氏、
  シネマ夢倶楽部/秋山氏の3者による対談形式で、字幕書体の歴史と魅力
  について語っていただきました。また、映画字幕翻訳家/戸田奈津子氏
  からいただいたコメントも掲載しています。

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 ◇ 必要システム構成 ◇
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 【Macintosh版】
 ・対応OSバージョン(CIDフォント):
   漢字Talk 7.5以上/Mac OS X 10.1以上
 ・対応OSバージョン(OpenTypeフォント):
   Mac OS 8.6以上/Mac OS X 10.1以上
 ・IntelプロセッサまたはPowerPCプロセッサ搭載のMacintosh
 ・CD-ROMドライブ
  ほか、各LETSデータCDパッケージに記載

 【Windows版】
 ・対応OSバージョン(OpenTypeフォント):
   2000 Professional/XP Home/XP Professional/Vista
 ・Pentiumプロセッサ搭載のPC
 ・CD-ROMドライブ
  ほか、各LETSデータCDパッケージに記載

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 ◇ 出荷日・提供方法 ◇
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 2007年12月19日より出荷を開始いたします。
 LETS会員登録されているご住所へ直接お届けいたします(ペリカン便)。
 また、12月以降に新規ご契約をいただいたお客様、および現在お申込手続
 き中のお客様につきましては、12月17日弊社出荷分より新書体を含む製品
 を納品させていただきます(ヤマトメール便または日本郵便 EXPACK500に
 て別送)。

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 ◇ 価格など ◇
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 価格はLETSの年会費に含まれていますので、追加料金は発生しません。
 (新書体は、LETS年会費によって計画的に開発されています。)


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 ◇ ご注意 ◇
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 ・新書体はご契約いただいているPC台数(オプション契約のプリンタ台数)
  にインストールしてご利用いただけます。
 ・インストールには、インストーラCDおよびライセンス証書に記載されて
  いるLETSインストールキーが必要です。


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■■  2.【サポート情報】Mac OS X 10.5 Leopard 対応状況
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 [Mac OS X 10.5 Leopard]におけるフォントワークス製品の対応状況に
 ついて掲載しています。

 ▼詳細はこちらをご覧ください
  http://www.fontworks.co.jp/support/taiou/osx105.html


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 ■□ フォントワークス製品、LETSに関するお問い合せ □■
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【製品およびLETSに関するお問い合わせ】
 株式会社フォントワークスジャパン
 サポートセンター
 Tel 0120-780241(フリーダイヤル)/ 092-722-4760
 Fax 092-722-5445
 E-mail info@fontworks.co.jp






posted by 上高地 仁 at 19:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュースリリース

Adobe、Acrobat 9を2008年第4四半期にリリースか?





 Adobeの売り上げと利益は相変わらず好調らしいですね。売り上げが対前年度比で好調だったのに、来期の見通しを上方修正しなかったため、失望売りで株価が下がったとか。見通しを上方修正すると見込んで買い進まれすぎたのでしょう。
 ただし、来年度の第4四半期は売り上げは上がるそうです。それまで横ばいの売り上げ上昇に転じるということは、当然新しい製品をリリースするということになりますね。
 CNETの記事を読み進めていくと、こんな記述があります。

Adobeの最高経営責任者(CEO)であるShantanu Narayen氏は、同社は新たなアップグレードを2008会計年度の後半に発表する計画で、これが「2008年度後半の業績を上向かせるだろう」と電話会見で語っている。
(アドビ、第4四半期決算を発表--業績好調で21%増益より引用:CNET)

とあります。おそらく、来年度の9月とか10月には、新しいバージョンをリリースする予定のようです。日本語版は少し遅れて、来年の12月とか年を越しての1月とかになるのかも知れません。
 CNETの記事では、アナリストの意見として新しい製品は「Acrobat」だろうと書かれています。バージョンアップの周期としては、Acrobatは妥当なところです。しかし、2000年度に13%増の売り上げ目標を掲げています。Acrobatだけでそれだけの底上げは可能でしょうか。
 可能性としては、Acrobatも統合してCreative Suite4としてリリースする可能性もあると思いますね。Adobeの2007年度の売り上げは

2007年度第1四半期(2006年12月から2007年 2月) 6億4940万米ドル
2007年度第2四半期(2007年 3月から2007年 5月) 7億4560万米ドル
2007年度第3四半期(2007年 6月から2007年 8月) 8億5,170万米ドル
2007年度第4四半期(2007年 9月から2007年11月) 9億1100万米ドル


となっていて、合計で31億5770万米ドルになります。あなたもこの売り上げに貢献しているわけです。
 それの13%増しは35億6741万米ドルですね。Adobeは「今四半期(2007年12月から2008年2月にかけての3カ月)の売上見通しを8億5500万ドルないし8億8500万ドル」としていて、その計算で1年間通すと、よくても34〜35億ドル程度なので、新製品は必要ですね。Acrobatだけで四半期分で1億ドル程度の上乗せは可能でしょうか。どうなんでしょう。
 Acrobatのみをリリースするのか、Creative Suiteに統合するのか、どうするのか気になるところです。まあでも、来年の末にCreative Suite4のリリースはやめて欲しいものですね。AcrobatをCreative Suiteに統合して欲しいという気持ちもありますが、できれば、Acrobatを統合したCreative Suite4を再来年以降にして欲しいものですな。






posted by 上高地 仁 at 13:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース&トピック

Yahoo!ブックマークに公開登録する





 DTP-SやこのDTP-Sブログのアクセスをアップするために、Yahoo!ブックマークを作成しました。といっても、Yahoo!では最近順位を盛り返しまして、本日現在、「DTP」ではウィキペディアに続いて、2位になっています。
 Yahoo!などのブックマークは、「ソーシャルブックマーク」と呼ばれています。ソーシャルブックマークの価値は、一つにはブックマークの環境非依存ということでしょう。
 ローカルのブラウザのブックマークを使うと、マシンが変わったり、ブラウザが変わると、ブックマークを移行したり再登録する必要があるわけですが、ソーシャルブックマークだと、そのページにアクセスすれば環境に依存せずに、登録したブックマークにアクセスできるわけです。
 ソーシャルブックマークは、公開せずにユーザーのみが閲覧する場合と、公開して広く共有する方法があります。公開すると、自分のブックマークを他者が閲覧することが可能になります。
 私はもちろん、公開登録してあります。何故かというと、公開登録すると、サイトへの被リンクになるからです。Yahoo!の検索エンジンの順位を上げることができるかどうかはわかりませんが、検索エンジンが被リンクを重要視していることは確かなので、こういうソーシャルブックマークの公開も、SEOの一つです。
 ウィキペディアの「ソーシャルブックマーク」には、問題点として、

自分のサイトへのブックマーク(セルフブックマーク)などによる不当な売名行為

と書かれていますが、作成したサイトをより多くの人に知って貰うために、ソーシャルブックマークに登録しそれを公開することが、なぜ「問題点」なのかは私にはわかりません。おそらく、かなり捻くれた人が書き込んだのだと思ってしまいますね。もっとも、いくつもあるソーシャルブックマークに登録していけば、被リンク数が増えるので、SEOスパムの1つにはなるかもしけませんけどね。
 DTP-Sにブックマークして頂いている方は現在のところ(07.12.18現在)

171名

となってます(もっとも、はてなでは15usersです)。DTP関係ではJAGATの「Welcome To JAGAT」が360名、「図解DTP用語辞典」が288名、「DTPの壺」が147名となっています。
 おそらく、Yahoo!検索に関しては、Yahoo!ブックマークの登録者数がサイトの評価に影響するのではないかと思っています。スパム的な被リンクが多くなるなかで、登録ブックマーク者数は、サイトの支持票として見なしやすいからです。一人でたくさんのYahoo!IDを登録して、ブックマークするにしても限界がありますから。
 というわけで、もしよろしければ、Yahoo!のブックマークに登録をお願いします。公開登録にしなくてもかまいません。できればJAGATをぬきたいなぁ。






posted by 上高地 仁 at 13:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

『感染症は世界史を動かす』で知るペスト、梅毒、結核、インフルエンザの歴史





071215_book.jpg 感染症の歴史から世界史を解読するという野心的な本。けっこう読み応えのある本だった。世界史といっても、主に西洋史が中心ですけどね。
 ヨーロッパで、歴史に影響を与えた感染症がいくつかある。中世までのハンセン病、14世紀以降のヨーロッパ人の死生観を変えたペスト(黒死病)、そして15世紀末にコロンブスがもたらしたスピロヘータ、産業革命下の劣悪な労働条件で猛威をふるった結核、そして20世紀に定期的に大流行するインフルエンザなどをとりあげ、それらと世界史の関係を切り取っている。
 ペストが1338年のカザフスタンに発生し、ヨーロッパに渡るまでが約10年、コロンブスが1493年にスペインに戻ってから、日本の京都に梅毒が現れるまでがたったの19年。中世でも感染症が広がる早さには驚くばかりですな。
 14世紀頃に猛威をふるったペストの致死率は高く、都市住民の半数以上がなくなることもあった。あまりのすざましさに、ユダヤ人が怨嗟の対象になって虐殺されたり迫害されて自死した。フランスドイツではユダヤ人の集団虐殺がつづき、多くのユダヤ人が、ユダヤ人に寛容だった東ドイツポーランドに移住したらしい。ポーランドに移住した子孫の一部が、ナチスの虐殺を逃れシンドラーに救われた(あんまり関係ないか)。
 さらにユダヤ人がいなくなった後も、スケープゴート探しは続き、民間での魔女狩りの心理的要因になったという。カトリックの異端審問がエスカレートして魔女狩りの嵐が吹き荒れたというより、ペストの恐怖が魔女狩りを正当化したらしい。
 ペストは、男も女も老人も子供も、聖職者も貴族も貧乏人も関係なく命を奪った。そのため、人々のカトリックに対する信仰が薄れ、のちにプロテスタントを生み出す素地になっていく。ペストが到来するまで、カトリック信仰は疑うことすら許されなかった。
 ただし、この本には書かれていないが、ペストの致死率は体内の鉄分に関係しており、鉄分の多い人ほどペスト菌が繁殖しやすく死ぬ率も高かった。したがって、女より男の方が、子供や老人より壮健な大人が、栄養の乏しい貧乏人より食に不自由しない金持ちの方が体内の鉄分が多く、ペストの死亡率は高いそうだ。
 なお、ペストはタタールによって世界史至上初(おそらく)の生化学兵器として使われた。
 また、梅毒が世界史を変えたことは、誰でもが知っている。中世のヨーロッパ君主の多くは、梅毒に冒されている。フランスのシャルル八世、フランソワ二世、イギリスのヘンリー八世やその娘のメアリー女王などなど。ヨーロッパに到達した頃の梅毒は致死率が極めて高く、数年で死に至ったらしい。そののち毒性の強い梅毒は影を潜めたという。
 その後、梅毒はヨーロッパ宮廷では当たり前の病気となり「宮廷病」と呼ばれた。当時の貴族がカツラをかぶっているのは、梅毒で抜け落ちた髪の毛を隠すためなんだそうだ。ヨーロッパの時代物の映画では、金持ちの男はいつもカツラをかぶっているが、「なるほど」とその理由についてやっと合点した。
 結核は世界史に大きな影響を与えたかというと、直接的な影響は少ないかもしれない。しかし、この本では、エンゲルスが過酷な労働を強いられ結核で早死にしていくロンドンに憤りを感じたことが紹介されている。マルクスはロンドンの貧困から共産主義を創作したが、劣悪な環境で長時間働く労働者にとって逃げられない結核もまた、「資本論」に影響を与えたに違いない。
 インフルエンザの最初の大流行は1918年。このスペインかぜのおかげで第一次世界大戦は終結したらしい。もともと最初にスペインかぜが発生したのは、カンザスにあるアメリカ陸軍のキャンプだった。アメリカの参戦ともに、インフルエンザもヨーロッパに渡った。スペインかぜはドイツの西部戦線に感染を広げ、優勢であったドイツ軍に大きな打撃をあたえた。それが講和につながったそうだ。スペインかぜがなければ、フランスは間違いなく、ドイツに占領されていた。
 ちなみに、Illustratorのオープニングで使われていたのは、ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」のヴィーナス。モデルは16才でなくなったそうだが、あの絵を見ると、シモネッタが結核にかかっていたことがわかるそうである。






posted by 上高地 仁 at 13:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | みだれうち読書ノート

PDF保存したときのEPS画像に水平線が入る謎





 IllustratorにEPS画像を配置し、PDF保存すると、Illustrator内に配置された画像に
水平線が入ります。Adobeのサポートデータベースに掲載されているよく知られて
いる不具合です。画像が分割されて、そのすき間が白く見えてしまう現象です。
 この現象が発生するは、Illustrator CSとCS2です。いまのところ10以前のバー
ジョンと、それ以後のCS3では発生しないようです。
 透明効果を使っていても、データの一部が画像化されたりすると、画像が分割さ
れます。保存したPDFをAcrobatで確認すると、分割された画像のすき間に薄い線が
入ります。
 ただし、こういう線はAcrobatの表示倍率を大きくしても、線が太くなることは
なく、実際印刷してもモニタ上の白い線が印刷物に反映されることはありません。
はっきりしたことはわかりませんが、おそらく網点に置き換えるときに誤差として
吸収されるのでしょう。
 Illustrator CS/CS2で発生する水平線は、EPSの解像度が「72 ppi」以上の画像の時
に発生しますが、はっきりと白い線が現れます。PDFにしてAcrobatで拡大すると、
拡大率が高くなると、水平線も太くなります。

続きはこちらから





posted by 上高地 仁 at 20:57 | Comment(2) | TrackBack(0) | AcrobatでするPDF出力のツボ

Illustrator使いこなしの鉄則

  鉄則01:異なるバージョンでは開かない
  鉄則02:最新版にアップデートしよう 8.0〜9.0
  鉄則03:最新版にアップデートしよう 10.0〜CS2
  鉄則04:カラーマネージメント機能を使おう
  鉄則05:貼り込まれた画像のカラーはどうなる?
  鉄則06:透明効果の分割・統合をベクトル側で変換する
  鉄則07:透明分割とスポットカラーの怪しい関係
  鉄則08:ラスタライズ効果設定は「200 ppi」に設定する
  鉄則09:Illustrator CS以降で使うOpenType機能
  鉄則10:フォントはアウトライン化してPDF保存する
  鉄則11:PDF保存ではフチククリ文字はアウトライン化しない
  鉄則12:用紙サイズを大きくしてトリムマークを付けて保存する
  鉄則13:PDFのバージョンはAcrobat 4.0互換で保存する
  鉄則14:PDF保存ではIllustrator編集機能はオフにする
  鉄則15:RGBのEPS画像はそのままCMYKに変換される
  鉄則16:PDF保存ではICCプロファイルは埋め込まない
  鉄則17:Illustrator 10までは画像はダウンサンプルしない
  番外編1:可能な場合オーバープリントを保持とは
  番外編2:インテリジェンスなカラー変換
  番外編3:書き出されるPDFサイズ
  『Illustrator&InDesign使いこなしの鉄則』を発行します

カラーマネージメント出力

  カラーマネージメント出力の不思議1〜InDesign編〜
  カラーマネージメント出力の不思議2〜Illustrator編〜
  カラーマネージメント出力の不思議3〜解答編〜

Vistaフォント、混乱の真犯人は誰だ

  その1:包摂はどこまで本当か
  その2:解き放たれた文字数の制限
  その3:JISの包摂に明確な基準はあるか
  その4:使われている文字は字形であっても拒否するのは非現実的だ
  その5:ユニコードは字形を追加するためにあるのだ